ハードル レート。 IRR(内部収益率)をわかりやすく解説、利回りとの違いやエクセルでの計算方法

資本コスト経営(5) ハードルレートとしての資本コスト計算のフレームワーク

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IRR(アイアールアール)とは? 投資ファンド等では、投資リターンを表す指標としてIRR Internal Rate of Return がよく使われます。 IRR は、「お金を複利で運用した時の利回り」の事をいいます。 例えば、IRR5%は「預けたお金が年率5%で複利運用された」ことと同じです。 IRRはエクセルを使えば簡単に計算でき、色々な投資案件を比較する時に役立ちます。 また、IRRとは、NPV 正味現在価値 がゼロとなるような割引率 Discount Rate の事です。 Discount Rate が上昇するにつれ、NPV は下がり、やがて 0 となります。 この 0 になる時点での Discount Rate が IRR です。 一般に投資の利回りは以下の式で計算できます。 これに対し、IRRは「お金の時間価値を考慮した利回り」を表します。 具体例を見てみましょう。 シンプルにする為に、税金を無視して考えます。 100億円を投資して、5年後に元本と併せて200億円のリターンがある投資案件Aと、同じく100億円を投資して10年後に300億円のリターンがある投資案件Bを比較します。 まず、利回りで比べると両方とも20%となり、優劣がつきません。 他方、IRRを計算して見ると、投資Aの方がリターンの額面金額は少ないにも関わらず、IRRは投資Bよりも約3. 実際、もし5年目に200億円が手元に入り、14. 例えて言うならば、5年目にこの投資Aから200億円を引き出して、利率14. しかし、現実的には投資案件から得られた収入を同じ利回りで複利運用するのは困難です。 それを克服できるのがModified IRR 修正内部収益率:MIRR です。 MIRRは、発生したキャッシュフローを異なる利回りで運用した場合のIRRです。 計算式で表すと以下の通りです。 出典:Wikipedia エクセルのIRR関数にはもう一つ「MIRR」関数というものもあります。 比較的新しい関数なので、Office 2016以降のバージョンに限定されます エクセルのMIRR関数は以下の構成となっています。 つまり、投資Aから得られた収入をすべて、年率1%の定期預金で運用した場合にIRRはどうなるか?というシミュレーションができます。 6%に及びません。 MIRR 投資A 7. この場合に、自己資金 Equity のみを「初期費用」として計算したIRRを「Equity IRR(レバレッジ考慮後の収益性)」といいます。 自己資金 Equity +借入金 Debt の投資総額を「初期費用」として計算したIRRを「Project IRR」といいます。 別の回で詳細な説明を行いますが、自己資金 Equity +借入金 Debt の合計を初期投資として得られるキャッシュフローの事をProject CashFlowと言います。 同一の投資案件において、自己資金 Equity と借入金 Debt が両方存在する場合、得られるProject Cash Flowから、返済義務のある借入金 Debt を優先して返済し、残ったキャッシュフローがEquity Cash Flow、すなわちEquityを拠出した投資家にとってのCash Flowとなります。 一般的に、返済義務がなく、拠出したお金が戻ってくるリスクが高いEquityと比べて、返済義務のあるDebtはリスクが低いと見られ、その分 調達コストが低いです。 その為、上図の様に、同一のProjectIRRを持つ案件において、投資総額におけるDebtの比率を高めると、梃子の原理の「梃子(てこ)」の様にEquity 投資家向けのIRR Equity IRR が上昇する効果があり、これをレバレッジ効果と一般的に呼びます。 レバレッジは日本語では「梃子」を意味します。 以下に、先程の投資Aについて、Project IRRは14. (単純化するべく、税金の影響は含めず、元利返済も最終年度一括と仮定しています。 )下図のLeverageは総投資額に占める借入金の割合を示しています。 Equityを極力少なくし、ほぼDebtで投資をすると Equity投資家向けのリターンは極大化し、すなわちEquity IRRは高い値を示します。 このような時は、その投資案件自体の収益率を測るために、Project IRRの値も確認しておくと良いです。 尚、一般的に表示されるIRRは「Equity IRR」である場合が多い事も付記します。 IRRの目安 投資の意思決定をする上で、Go/No Goの境目となるIRRを「ハードルレート(最低限必要なIRR)」といいます。 個人の場合、自分の中でハードルレートを決めて、「IRR x%の投資案件だと面白味がないからやめておこう」で良いのですが、企業や機関投資家等の場合、自身が資金を調達する際のコストに、当該投資事業が持つリスク要素も加味した分のリターンが得られなければ、真の意味で投資はペイしません。 smtri. pdf 上記を参考にすると、目標IRRが高い場合、短期間での売り抜けを通じたキャピタルゲインを想定していて、目標IRRの低いJREITのような投資では、長い運用期間の中でインカムゲインを狙っていることもわかります。 IRRは「収益率」を示すだけなので、その数値自体にはリスクが加味されていません。 IRRが高くなるほどリスクも高まるのが普通なので、投資に対するリスクは別の方法を使って見極める必要があります。 こうした注意点を踏まえれば、IRRは非常に便利で、様々な投資家・企業から使われる指標です。

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IRR(内部収益率)とは?難しい内容をやさしく解説

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目次 []• 設備投資の経済性評価とは? 設備投資は企業の成長を促すという重要な役割を持っています。 生産性の強化や合理化によるコスト削減、将来を見据えた研究開発など、 投資目的は企業によって大きく異なるでしょう。 しかし、共通しているのは「 その設備投資によって利益が確保できるか」という点です。 投資費用に見合った収益が確保できない、つまり赤字になってしまうような設備投資を行っても、 企業にとってはマイナスでしかありません。 「経済性評価」で設備投資の採算性を判断 設備投資で赤字にならないためにも、設備投資を行う前に 「 経済性評価」を行うことが重要になります。 経済性評価は、「投資効果の試算」とも言えます。 分かりやすく言うと、 設備投資を実行する前に、あらかじめ採算がとれるのかどうかを確かめることです。 設備投資の経済性評価を行う上で注意すべきことは、 合理的かつ客観的な基準による評価や検証でなくては意味がないということです。 次の項目からは、現在有効とされている経済性評価の方法をご紹介していきます。 回収期間法 回収期間法とは、 設備投資額を何年で回収できるのかを求める方法です。 回収期間の長さにより、設備投資を実行するかしないかを検討します。 回収期間法は、以下の計算式で表すことが可能です。 そのため、主に資金繰りに重点をおいて設備投資を検討する場合に役立ちます。 また計算も簡便で分かりやすいため、一般的な投資の目安としてもよく使われます。 回収期間法のデメリット 回収期間法のデメリットは、 投資の収益性とお金の時間価値が考慮されないことです。 そのため、後でご紹介する「投下資本利益率法」と組み合わせて活用するのが効果的です。 回収期間法の活用方法 回収期間法は「その設備投資は何年で元が取れるのか」を表す評価方法になりますので、• 設備投資額の回収期間が設備の耐用年数(寿命)の範囲内か• (融資を受けて設置する場合は)借入調達期間が適切か などを判断する際の参考になります。 「投下資本利益率法」と組み合わせて活用しましょう。 税制優遇や補助金で回収期間を短縮可能 設備投資の費用を何年で回収できるのかを簡便に表せる「回収期間法」ですが、 補助金や税制優遇を受けることで、「設備投資額」を圧縮したり、 法人税を減らして「キャッシュフロー」を増やしたり等で、 回収期間を短縮して計算することが可能です。 投資額の100%即時償却(中小企業経営強化税制)• その他にも、再生可能エネルギーである自家消費型太陽光発電などを対象として、• 「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」(環境省)• 都道府県や市区町村など、一部の地方自治体 などから補助金が交付されています。 こうした税制優遇や補助金などを活用することで、設備投資にかかる費用を減らす、 あるいはキャッシュフローを増やすことができ、 投資費用の回収期間を短縮して計算することが可能になります。 自家消費型太陽光発電の税制優遇や補助金については、以下の記事をご覧ください。 投下資本利益率法 投下資本利益率法は「 設備投資によってどれだけの利益を生み出せるか」を測る方法です。 具体的には、以下の計算式で表すことが可能です。 ただし、設備投資の検討段階では利益増加額は確定していないため、 あくまでも予想増加利益を基準に計算することになります。 投下資本利益率法のデメリット 投下資本利益率法のデメリットは、キャッシュフローという考え方が無いため、 投資額の回収期間については考慮されていないという点です。 「回収期間法」と組み合わせて評価することで、双方のデメリットを補い合うことができます。 投下資本利益率法の活用方法 投下資本利益率法によって導き出された利益率を、借入利子率や目標利益率などと比較して、 設備投資を行うかどうかの判断材料にすることができます。 正味現在価値法(NPV法) 正味現在価値法(NPV法:Net Present Value)は、 上記でご紹介した回収期間法や投下資本利益率法とは異なり、 資金に対して利子などの時間価値を付与して計算する方法です。 正味現在価値法において重要となるPV(現在価値)は、 「将来的に投資によって入ってくるお金の現在価値」という意味です。 PV(現在価値)の計算式 NPV(正味現在価値)=PV(現在価値)-投資額 基本的には、「NPV>0」であれば設備投資を行う価値があることになります。 正味現在価値法のメリット 正味現在価値法のメリットは、貨幣の時間的な変動や、 金利を含めた投資効果を測ることができる点です。 正味現在価値法のデメリット 正味現在価値法のデメリットとしては、計算式が回収期間法や投下資本利益率法より複雑な点や、 PV(現在価値)の計算で必要な割引率の設定基準があいまいになりがちといった点です。 (割引率の設定に正解はなく、暫定的に設定して計算する必要があります) 正味現在価値法の活用方法 「NPV(正味現在価値)>0」であれば設備投資を行う価値があることになります。 また、複数の設備投資を検討している場合は、 NPV(正味現在価値)の値が最も高いプロジェクトを選択すると良いでしょう。 内部収益率法(IRR法) 内部収益率法(IRR法)は、設備投資の収益率を計算して、投資すべきかどうかの判断を行う手法です。 内部収益率法のメリット IRR(内部利益率)の値が、割引率や資本コストといった不確定要素がある状態でも 導き出せるため、客観性が高く実務で重宝されています。 内部収益率法のデメリット 内部収益率法のデメリットは、正味現在価値法(NPV法)よりも計算が複雑で、 専用のエクセルシートなどを活用しないと正確な値を出すことが難しいという点です。 (エクセルには、内部収益率を求める関数が標準で用意されています) また「率」だけで判断する手法のため、投資規模が考慮できないといった側面もありますので 「IRRの値は低いがNPVは大きい」という優れた投資先を見逃さないようにする必要があります。 このときの「利率・割引率」を「内部収益率(IRR)」と呼びます。 内部収益率法の活用方法 導き出された内部収益率(IRR)と、 ハードルレート(投資に要求される最低限の収益率)を比較し、• IRR>ハードルレート:投資を実行• IRR<ハードルレート:投資を不実行 というように、設備投資を行うかどうかを判断していきます。 たとえば、年利5%でお金を借り入れて投資を行う場合にはハードルレートを5%とすれば、 IRRが5%を下回るような投資では採算が合わない可能性がある、と判断できます。 まとめ 会社や工場などへの設備投資を行う際は、その設備投資が本当に会社の利益になるのかどうかを 正しく判断してから行う必要があり、これを設備投資の「 経済性評価」と言います。 経済性評価には、回収期間法や投下資本利益率法、正味現在価値法(NPV法)、 内部収益率法(IRR法)などいくつかの手法があることをご紹介してきました。 メリット デメリット 回収期間法• 計算が簡便で分かりやすい• 早期の回収できるかどうか判断しやすい• 貨幣の時間価値を考慮しない 投下資本利益率法• 投資を行う前に収益性を判定できる• 投資効率の高い投資先を選べる• キャッシュフローの概念がない• 投資額の回収期間については考慮されない 正味現在価値法• 貨幣の時間価値を考慮に入れている• 内部収益率法ほど複雑な計算ではない• 割引率の決定に見積もりの要素が入る• 回収期間法や投下資本利益率法と比べて計算が煩雑 内部収益率法• 貨幣の時間価値を考慮に入れている• 割引率や資本コストが不確定でも計算できる• 正味現在価値法(NPV法)よりも計算が複雑• 投資規模については考慮されない また、補助金や税制優遇を活用することで、 投資額の回収期間を短縮することも可能ですので、併せて活用していくのがおすすめです。 「経済性評価」を正しく行って、企業の成長につながる設備投資を実現していきましょう! This website uses cookies to improve your experience while you navigate through the website. Out of these cookies, the cookies that are categorized as necessary are stored on your browser as they are essential for the working of basic functionalities of the website. We also use third-party cookies that help us analyze and understand how you use this website. These cookies will be stored in your browser only with your consent. You also have the option to opt-out of these cookies. But opting out of some of these cookies may have an effect on your browsing experience. Any cookies that may not be particularly necessary for the website to function and is used specifically to collect user personal data via analytics, ads, other embedded contents are termed as non-necessary cookies. It is mandatory to procure user consent prior to running these cookies on your website.

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IRR法(内部収益率法)

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IRR(内部収益率)とは? 内部収益率 以下IRRと呼びます とは、 投資に必要な支出額の現在価値と、投資により得られるキャッシュフローの現在価値の総和が等しくなるような割引率のことを言います。 これだけではわかりにくいので、細部の言葉を確認してから再度説明していきます。 まず、 現在価値と 割引率の言葉の意味について確認していきましょう。 現在価値とは、お金がいつ発生するのかによって貨幣価値が変わってくるところを一定の価値基準で比較するために、 ある時点のお金の価値を現在の時点のお金の価値に置き換えたものです。 この時に割引率を利用します。 現在の時点の価値にするために用いる1年あたりの比率を割引率といいます。 現在価値と割引率の具体例を見てみます。 10,000円があったとして、これが1年後に10,500円になるとします。 このとき、10,500円を現在価値に戻すときに5%の割引をする必要があるので、割引率は5%になります。 もし2年後に11,025円になるとしたら、1年間に5%の割引を2年分したら、10,000円になるので同じく5%の割引率となります。 2年後に11,025円で割引率が5%である金額の現在価値は10,000円であるとも言い換えられます。 これらの言葉の意味を確認したところでIRRの話に戻り、定義に当てはめていきます。 「 投資に必要な支出額の現在価値」とは、「 投資額」と考えましょう。 次に、「 投資により得られるキャッシュフローの現在価値の総和」とは、「 各年のキャッシュフローを現在価値に直したものの全年分の合計」になります。 つまり、 「投資額」と「各年のキャッシュフローの現在価値の総和」が等しくなるように設定した割引率をIRRといいます。 以下の式がわかりやすくまとめたものになります。 このIRRですが、投資にあたっての収益率を求めるため、ハードルレートという投資に要求される最低限の収益率との比較によって投資をして良いか判断するときなどに使われます。 IRR がハードルレートよりも低い場合には、収益率が低いため投資すべきでなく、IRRがハードルレートよりも高い場合には高い収益率が望めるため投資すべきであると判断されるというような形です。 しかし、IRRは、将来のキャッシュフローを予測して計算が行われています。 そのため、予測されたキャッシュが得られない可能性の高い、つまりリスクの高い投資案件に関しては、実際に算出されたIRRよりも厳しく見積もるということも行われることがあります。 キャッシュフロー改善のための二つの効果的な取り組みについてはこちらを参考にしてみてください。 関連記事: IRR(内部収益率)のシミュレーション 言葉の説明では分かりにくい点も多いので、シミュレーションをして理解を深めていきましょう。 以下の投資額と投資の収益が見込まれる場合を考えていきます。 3年目で売却するものという前提を置いています。 投資額の現在価値 1年目のキャッシュフロー 2年目のキャッシュフロー 3年目のキャッシュフロー 投資先A 40万円 10万円 20万円 30万円 投資先B 40万円 20万円 20万円 20万円 まずは、先ほどの式に当てはめて、IRRを求めていきます。 このようにIRRが求められますが、一歩踏み込んで、この結果から分かることとして2つ考えていきます。 1つめは、3年目の段階で、両者ともに20万円の利益をあげているように見えますが、IRRの値は変わってくるということです。 これは、現在価値の概念をIRRが持つことに起因します。 2つめは、AとBの両者のIRRを比較すると、Bの投資先の方がIRRの値は高いので、IRRで比較した場合は、Bの投資先の方が優れているということがわかります。 両者の違いは、早期に資本が回収できているかどうかにあります。 資本を早期回収できるということは、その分の資本を再投資できることにもつながります。 定期預金を例にした計算 IRRをより簡単に理解するために、定期預金を例にしてみましょう。 たとえば、 元本1億円を 利回り2%の定期預金 単利 に3年間預けるとしましょう。 この場合3年間で得られるキャッシュフローは、以下の通り計算できます。 一方で3年目は、利息の200万円に加えて元本の1億円も返還されるため、1億200万円のキャッシュフローを得られます。 以上より、IRRは下記の計算式で求めることができます。 IRRと定期預金の利回りが等しいことを証明するには、「投資に必要な支出額の現在価値」と「投資により得られるキャッシュフローの現在価値の総和」が等しいことを確認すれば良いでしょう。 なぜならIRRは、「投資に必要な支出額の現在価値」と「投資により得られるキャッシュフローの現在価値の総和」が等しくなる場合の割引率だからです。 このケースでは、投資により得られるキャッシュフローの現在価値の総和は、3年間で得られるキャッシュフローを、それぞれ利回り 2% を割引率用いて現在価値に割り引き、それを合計することで求められます。 計算結果は次のとおりです。 投資に必要な支出額の現在価値と見事に一致するため、IRRと定期預金の金利が同じであることが分かりました。 不動産投資を例にした計算 では、 毎年得られるキャッシュフローが異なる不動産投資の場合、IRRはどのようになるでしょうか? 定期預金と比較するために、最終的に得られるキャッシュフローの合計と初期投資額を同じ条件にした下記の例を使って計算してみましょう。 1年目は利回り4%、2年目は利回り1%、3年目は利回り1%で運用。 この場合3年間で得られるキャッシュフローは、以下の通り計算できます。 03%となります。 定期預金の例と得られるキャッシュフローの合計や初期費用は同じであるにも関わらず、こちらの方がIRRは高くなりました。 IRR が高くなった理由は、間近に得られるキャッシュフローの金額が大きいからです。 定期預金の場合は3年間通して利回り2%でしたが、不動産投資の場合は1年目や2年目の方が利回りは大きく設定しています。 IRRはキャッシュフローの「現在価値」をもとに計算するため、近い将来に得られるキャッシュの方が金額は大きくなります。 つまり、 複数の不動産投資の選択肢がある場合、投資初期から大きな利益を得られる投資案の方がIRRは高くなるのです。 IRR(内部収益率)をExcel(エクセル)で簡単に求める方法 IRRを求める際には、通常の電卓では求めにくいため、Excel(エクセル)のIRR関数を利用すると簡単に求めることができます。 書式:IRR(範囲,[推定値]) ここで言う「範囲」とはExcel(エクセル)内のセルの範囲を指しますが、内容としては初期投資額や年毎のキャッシュフローとなります。 また、「推定値」に関しては計算結果の予想値という意味ですが、基本的には入力する必要がありませんのでそのままにします。 それでは先ほどの投資先Aのパターンで見てみましょう。 エクセルのIRR関数を使うことで、IRRを簡単に求めることができます。 また、IRRは、後ほど説明するNPVをゼロにする割引率ですから、エクセルの「ゴールシーク」機能を使い、IRRを算出することができます。 まず、以下のようにC列に現在価値の算出式を追加し、C1セルに適宜の割引率(以下例では15. エクセルのコマンド[データ]-[What-If分析]-[ゴールシーク]を実行します。 「ゴールシーク」で、NPVがゼロとなる割引率を求めます。 「数式入力セル(E)」にはNPV算出の計算式が入力されているC9セルを入力し、「目標値(V)」には0(ゼロ)を入力します。 「変化させるセル(C)」に割引率が入っているC1セルを入力し、「OK」ボタンを押します。 結果は次のようになり、NPVをゼロにする割引率(IRR)が19. 4%であることが求められます(C1セル)。 このようにExcel(エクセル)を用いると簡単にIRRを計算することが出来ますので、ぜひ活用してみてください。 IRR(内部収益率)とNPV(正味現在価値)のメリット・デメリット ここまでで、IRRについて見ていきましたが、この指標は収益率という観点から考えるものでした。 一方で、収益の金額から考える正味現在価値 以下NPVと呼びます という指標もあるのでそちらについて確認し、両者のメリットとデメリットを紹介していきます。 NPVとは? NPVとは、 投資により得られるキャッシュフローの現在価値の総和から投資に必要な支出額を引いたものです。 このときに、割引率をハードルレートに設定し、NPVの大きさがプラスであればその投資は有効であり、マイナスであればその投資は有効でないと判断することができます。 NPVの計算において、割引率の設定は様々な状況を考慮して行わなくてはいけないため、計算は難しくなります。 また、NPVの値の信用度に関しては、割引率の根拠となるデータなども重視されます。 式に表すと以下のように表せます。 NPVは、投資により生み出される価値を数値化した指標であるといえます。 そのため、主に投資案件を比較する場合に利用されます。 たとえば、NPVが1000万円である投資案件と500万円である投資案件を比較した場合に、前者の方が、NPVが大きいので大きな価値を生み出す案件だと判断し、後者よりも前者に投資すべきだという結論を出すというような形です。 単純にまとめると、 IRRは高ければ高いほど収益率が高く良い投資先であり、NPVは高ければ高いほど収益額が高く良い投資先であるといえるということになります。 実際には複数の指標を合わせて考えるので一概には言い切れません。 NPVも少しだけシミュレーションしてみます。 先ほどと同様の場合の投資先Aのみを考えます。 割引率を10%として考えます。 投資額の現在価値 1年目のキャッシュフロー 2年目のキャッシュフロー 3年目のキャッシュフロー 投資先A 40万円 10万円 20万円 30万円 以上の計算より、このときのNPVは、約8万円でプラスなので、有効な投資といえます。 しかし、投資リスクが高い場合に割引率を20%にした場合は、計算式を省略しますが、NPVはマイナス約1万円となり、有効な投資といえなくなります。 NPVにおいて設定する割引率の重要性は再度認識しておきましょう。 NPVについて詳しく知りたい方は「 」をご確認ください。 それでは、NPVについて確認できたところで、IRRとNPVのメリットとデメリットについて説明していきます。 IRRのメリット・デメリット メリット ・時間の概念がある ・割引率やコストがなくても計算できる ・計算結果が1つに定まる デメリット ・投資規模を考慮できない ・解が出ないことがある IRRのメリットとデメリットをまとめると以上のようになります。 それらについて詳しく見ていきます。 まずは、メリットからです。 IRRは、時間の概念を持つため、見かけ上は同じ利益をあげていても早期にお金を回収できる方がIRRの値が上がるなど、時間的なお金の価値の差を考慮できるという点で、優れているといえます。 また、IRRは、見込まれる収益と投資額が分かれば計算できるため、不明確な指標である割引率やコストを考慮しなくて良く、計算しやすいということがあります。 また、これによって計算結果も1つに定まることが多く、客観的指標として利用価値が高いということがメリットとして挙げられます。 しかし、デメリットもあります。 IRRは、収益率という概念で計算を行うため、投資規模が考えられません。 このことによって、IRRの値は低いけれど、NPVが大きいという優れた投資先を見逃してしまう場合があります。 また、IRRは、解が出ない可能性があることがデメリットとしてあります。 具体的には、求めようと設定した期間内にマイナス収益の年があるときなどは、解がでない可能性があります。 NPVのメリット・デメリット メリット ・時間の概念がある ・投資規模を考慮できる ・単純で分かりやすい デメリット ・割引率の設定が必要 ・仮説を基に出される指標であり不確実 ・長期的計画の投資が排除されやすい NPVのメリットとデメリットをまとめると以上のようになります。 それらについて詳しく見ていきます。 まずは、メリットからです。 NPVは、IRRと同様に時間的概念があることがメリットとしてあげられます。 加えて、IRRでは求められなかった投資規模を考慮することができることがNPVの優れているところの代表的なことになります。 これはNPVが、金額面から考えているためです。 これによって、投資による利益をわかりやすく金額としてとらえることができます。 このNPVの出す結果の単純でわかりやすさが広くNPVが用いられている理由でもあります。 しかし、デメリットもあります。 結果は単純ですが、NPVの計算段階は複雑なものとなっています。 ここで一番の問題となってくるのが、NPVの計算が仮定を基にして行われていることです。 NPVを計算する際に割引率を用いるのですが、最適な割引率は誰にも分からないためそれを仮定しなくてはいけません。 そのときには、投資のリスクなどを考慮するのですが、割引率一つをとっても数値が少し変わるだけでNPVの値は大きく変わるので、不安定な指標といえます。 また、NPVの計算の際に将来的なデータを用いますが、そのデータも妥当性があるかどうかが重要となります。 このように、デメリットとして、算出されるNPVの値の不確実性が挙げられます。 IRRとともにNPVは時間の概念を持っているのですが、傾向として早期に資本回収ができる方が良い値を取るため、長期的な目線で投資をしようと考えている場合に少し最適なものとの齟齬が生まれてしまいかねません。 IRRとNPVのメリットとデメリットを確認してきましたが、両者ともにわかりやすい指標として利用されていることが分かります。 しかし、デメリットが多いのも確かなのです。 そのことを考慮した上で、実際に両者の指標を利用する時にどのような場面であれば、有効に利用できるのか確認していきましょう。 IRR(内部収益率)と正味現在価値 NPV はどのように使い分ければ良いの? IRRとNPVを有効に使い分ける方法を見ていきたいと思います。 まず、 大前提として、投資の際に一番重要視するべきことに、不動産であれば多くの利益を上げることがあると確認しておきます。 このときに重要なのは、収益率より収益額です。 つまり、 まず始めに利用するべき指標としては、IRRでなくNPVであることを覚えておきましょう。 しかし、 場合によっては、NPVよりもIRRの方が有効であるときがあります。 それは、予算制約がある場合です。 このようにIRRを用いるべき場面もあります。 また、NPVは複数の投資先を比較するときに有効であるのですが、IRRは1つの投資先を掘り下げて考える場合などに有効であるともいえます。 しかし、場合によってはIRRをメインとして用いるべき時もあるので、両者ともに方法を抑えておくと良いでしょう。 まとめ 今回は、IRRとNPVについて確認してきました。 IRRとNPVはともに簡潔な数値が結果として算出されるため、投資初心者のみなさんも利用しやすい指標なのでぜひ利用して欲しいです。 しかし、有効な場面で使えているかどうかによって指標の利用効果が変わってくるので、ぜひ再度本文を確認してから利用してみてはいかがでしょうか。 税理士の資格のほか、米国税理士、行政書士、宅地建物取引士を保有するなど、幅広な分野に関して相談可能です。 「不動産投資TIMES」は、不動産による資産運用サポートを提供しているプロパティエージェント株式会社が運営するメディアです。 投資向けマンションデベロッパー満足度調査で3年連続総合No. 1、入居率99. 5%以上を実現している東証一部上場のプロパティエージェントだからこそ発信できる情報をお届けします。 不動産投資の初心者から経験者に至るまで、欲する情報は様々ではありますが、基礎知識から、疑問・不安解決、オーナー体験談、法制度、市場、最新トレンドなど、幅広く網羅的に情報を提供していきます。 グレーなイメージを持たれがちな不動産投資ですが、不動産投資Times編集部は、読者の皆様の不動産投資をサポートできる真の情報を発信し続けます。

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